タップの基礎知識(3) ねじの種類と規格

投稿日:2021/09/15 更新日:2021/09/15

タップの基礎知識3回目は「ねじ」の種類と規格についてご説明します。規格表も記載しますので、有効にご活用いただければと思います。

 

ねじの種類

メートルねじ(M)

日本やヨーロッパ圏で採用されている、ISO国際規格の一般的な汎用ねじ規格です。

規格寸法(呼び径やピッチ)がメートル法で表されるため、「メートルねじ」、「ISOメートルねじ」といわれており、接頭記号に「M」が使用されます。

並目と細目の2規格がありましたが、1998年に統合されました。

呼び径は外径をミリメートルで表し、ねじ山の角度は60°で、ピッチはPで表され隣り合うねじ山の距離で表します。「メートルねじ」JIS B0205:2001(M) ねじ規格表 ▼(クリックすると表が表示されます)

 

 

ユニファイねじ(UN)

アメリカ、カナダ、イギリスなどで多く採用されている、ISO国際規格の一般的な汎用ねじ規格です。

規格寸法(呼び径やピッチ)がインチ法で表され、「ユニファイねじ」、「インチねじ」、「ISOインチねじ」といわれており、接尾記号に「UN」が使用されます。(並目→UNC、細目→UNF)

並目(UNC = Unified Coarse Tread)、細目(UNF = Unified Fine Tread)の規格があります。

呼び径は外径をインチで表し、1/4以下のねじはNo.0~No.12で表記します。

ねじ山の角度は60°で、ピッチはねじ部1インチあたりのねじ山数で表されます。「ユニファイねじ細目」JIS B0206:1973(UNC) ねじ規格表▼(クリックすると表が表示されます)

「ユニファイねじ細目」JIS B0208:1973(UNF) ねじ規格表▼(クリックすると表が表示されます)

 

 

ウィットねじ(W)

イギリス規格のねじで、考案者の名前(ウィット・ウォース)がつけられています。1968年にJIS規格では廃止されましたが、現在でも一部の業界では使用されています。

規格寸法(呼び径やピッチ)がインチ法で表され、接頭記号「W」が使用されます。

呼び径は外径をインチで表し、ねじ山の角度は55°で、ピッチはねじ部1インチあたりのねじ山数で表されます。「ウィットねじ」のねじ規格表 ▼(クリックすると表が表示されます)

 

 

管用テーパーねじ(R)

配管接続に用いられるねじで、気密性が必要な箇所に多用されるねじです。テーパーおねじ(R)と、テーパーめねじ(Rc)または平行めねじ(Rp)の組み合わせで使用されます。

規格寸法(呼び径やピッチ)がインチ法で表され、接頭記号に「R」(テーパーおねじ)、「Rc」(テーパーめねじ)、「Rp」(平行めねじ)が付きます。

呼び径は外径をインチで表し、ねじ山の角度は55°で、ピッチはねじ部1インチあたりのねじ山数で表されます。「管用テーパーねじ」B0203(R/Rc) ねじ規格表▼(クリックすると表が表示されます)

 

 

アメリカ管用テーパーねじ(NPT)

管用テーパーねじ(R)とは、全く規格の違うテーパーねじです。

規格寸法(呼び径やピッチ)がインチ法で表され、接頭記号に「NPT」が使用されます。

呼び径は外径をインチで表し、ねじ山の角度は60°で、ピッチはねじ部1インチあたりのねじ山数で表されます。

「アメリカ管用テーパーねじ」(NPT) のねじ規格表 ▼「アメリカ管用テーパーねじ」(NPT) のねじ規格表 ▼(クリックすると表が表示されます)

 

 

管用平行ねじ(G)

配管接続用のねじ規格で、ねじ部が平行なものです。

規格寸法(呼び径やピッチ)がインチ法で表され、接頭記号に「G」が使用されます。

呼び径は外径をインチで表し、ねじ山の角度は55°で、ピッチはねじ部1インチあたりのねじ山数で表されます。「管用平行ねじ」B0202(G) ねじ規格表 ▼(クリックすると表が表示されます)

 

 

<前> タップの基礎知識(2)タップを構成する要素について

Visited 1 times, 1 visit(s) today