自動工具研削盤GriStarシリーズで「エンドミル」を再研磨する3(ボールエンドミル)

公開日:2021/01/09  更新日:2021/01/10

「自動工具研削盤GriStarシリーズで「エンドミル」を再研磨する」3回目となる今回は、ボールエンドミルの再研磨について説明したいと思います。

 

対応形状

GriStar Multi 5 Axisで対応しているボールエンドミルの形状は、「2枚刃」、「3枚刃」、「4枚刃」、「4枚刃親子刃」の4種類です。

 

形状選択

まずは刃の枚数によって工具選択で切り替えます。

左上の「工具種・砥石設定」タグを押して工具種を切り替えます。また砥石も各種専用砥石に交換してください。

ここで一つ重要な注意点があります。セットする砥石はきれいに成形されたもの(角が摩耗して丸くなっていないもの)を使用し、寸法をできるだけ正確に入力してください。

ボールエンドミルの研磨では、砥石と工具の位置関係がとても重要になります。正確な寸法管理されている砥石を使用することで、精度の高い研磨を行うことができます。

 

工具データの入力

ボールエンドミルのパラメータ設定では、かなり多くの箇所のパラメータを設定できるようになっていますが、基本的な形状のものであれば、まずは初期設定値で研磨して結果を見ていただくことをお勧めします。

 

工具のセット

ボールエンドミルの研磨では、R精度向上のためにC軸旋回中心で研磨を行うモードがあり、こちらをお勧めしています。

C軸旋回中心で研磨するモードでは、通常の工具チャッキングとは手順の違う方法でチャッキングを行います。

まず、「ツールセット」ボタンを押し、ツールセット画面が出たら「A,C軸研磨」チェックボタンを有効にしてください。

つぎにチャックに工具をセットするのですがこの時、工具をチャックの中に入れ、突き出しをC軸旋回中心より短くし、把持をしない(コレットが緩い)状態で一度スタートボタンを押し、運転を開始します。

そうすると、砥石への激突防止のための先端確認を行い、砥石と正対した位置に主軸が移動し、一旦停止します。

ドアをあけ、工具を砥石に軽く当たる位置でチャッキングしてください。この時チャックを締めると少し工具が戻ろうとするので工具を手で支えて、砥石と触れる状態をキープしながらチャックを締めます。

再度ドアを閉めスタートボタンを押すと、溝位置のセンシング後、研磨が開始されます。

他の工具と比べて、チャッキングにひとつ工程が入りますが、時間もあまりかからず、高精度研削が可能なのでこちらの方法をお勧めしています。

 

ボールエンドミルの再研磨の方法の概要は以上となります。

 

<前>  自動工具研削盤GriStarシリーズで「エンドミル」を再研磨する2(3~6枚刃)

<次>  自動工具研削盤GriStarシリーズで「エンドミル」を再研磨する4(外周研磨)

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